オオルリ流星群
2022年6月27日
OBの熊谷です。高校OBOGの5人の天文仲間を描いた話題の小説「オオルリ流星群」(伊予原新著・角川書店)を読みました。
「夕刊フジ」から天文学会の「月報」まで高い評判ですが、面白く感動しました。高校の5人の仲間たちが約30年ぶりにふるさとの神奈川・秦野で出会い、思わぬことから「天文台を作ろう」と協力し合う物語です。天文台は冥王星の向こうにある氷の小惑星を掩蔽で観測することがねらいですが、ヒロインの「すい子さん」ほか、女子1人、男子3人、それぞれの人生模様が織りなす物語が続きます。天文台オープンのとき、会社と折り合わずひきこもりになっていたFM好きの「和彦くん」が組み立てた装置が動き出し、流星群の電波観測に成功するシーンは素晴らしい。人生の折り返し点を迎えたOBOG仲間の再出発を天文の話題とともにさわやかに描く名作と思いました。著者の伊予原さんは50歳。神戸大学で地球惑星科学を学び、現在は作家として活躍中です。
なお「オオルリ」は、大山山系などで可憐な姿を見せる鳥で、神奈川では県鳥の「かもめ」とともに愛されています。
(写真は自宅ベランダにて。国立天文台による「一家に一台望遠鏡」(5000円)とともに写しました)
熊谷謙一
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