天文同好会保有機材

 9月3日にサークル室に保管されている天文機材を確認しました。

どうやら1期1990年以前、2期2000年~、3期2010年~の3回機材の導入時期があるように思えます。そして今回OB寄贈品が4期となります。

 1期:タカハシ製品 眼視観望&フィルム写真撮影向き  自動導入無し

 2期:ビクセンGP2とR200SSでデジカメ写真撮影向き 自動導入無し

 3期:ビクセンSXD2とA105Mで眼視観望向き 自動導入有り

 4期:AZ-GTiとAskarFMA135+CMOSで電子観望向き 自動導入有り

その時代のトレンドや機材選択者の好みが読み取れて興味深いです。

望遠鏡は古くてもタイプが様々で使い道がありますが、赤道儀は自動導入の有無で使い勝手が変わります。月・惑星は明るく自動導入が不要なので古い赤道儀でも十分に使えます。しかしながらサークル室の保管スペースは限られているので思い切って断捨離した方が良いともいます。

大人数の天門同好会なので、ライト層とヘビー層がいると思います。ライト層はキャンプついでに天の川や太陽・月・惑星で楽しいです。一方ヘビー層は星雲星団・彗星などの見えないもの見える・撮影するのが楽しいです。それぞれ向いている機材が異なるので活動に合わせて両方のタイプを保有しておくのが理想的です。保管場所をとりますが・・。

↑グレーに塗った機材は使う場面が少ないと思われるものです。

以下、私の主観で各機材を解説します。
【望遠鏡】

A ビクセンR200SS 反射望遠鏡 写真撮影向きだが、惑星も星雲星団も大口径の集光力のおかげで大抵の天体は見える。反射望遠鏡の宿命で光軸を調整しないと性能を発揮できない。

B ビクセンED100Sf ED2枚玉屈折望遠鏡 屈折望遠鏡は光軸ずれることはめったにないため安定した性能を発揮できる。長焦点で暗めなため写真は不向きだが、月・惑星はとてもシャープによく見える。月・惑星の電子観望に使える。目の肥えた熟練観察者諸兄にも自信をもってお勧めできる望遠鏡です。

C ビクセンA105M アクロマート屈折望遠鏡 太くて長くていかにも望遠鏡らしい外観で客寄せには良い。運びにくいのと保管に場所をとることがデメリット。実際に覗いたことはないが、月・惑星はそこそこ見えると思う。明るい恒星も青いハロをまとって派手に見えると思う。

D タカハシMT-100 反射望遠鏡のわりに口径10㎝小さいにも関わらず性能に妥協が無い放物面鏡の名品。今では販売していない商品領域で近年、電子観望に使いやすい10㎝クラス放物面反射望遠が見直されており、きれいな状態ならオークションで倍の値段がつく。オジサンたちには垂涎もの。
現在の埼大天文同好会の望遠鏡のラインナップのなかでMT-100は微妙。雑な扱いをされたようで鏡筒が凹み・歪みがあり光軸がずれていた。

E Askar FMA135 星雲星団の電子観望向けに作られた超小型望遠鏡。電子観望で画面に映る星像はおそろしくシャープ。接眼レンズをつけて肉眼観測は倍率が低すぎるため不向き。惑星・月の電子観望は像が小さすぎて不向き。

F MEADE ETX-105EC オートスターオプションセット 自動導入経緯台の出たての2000年前後に売れた機種。マクストフカセグレン望遠鏡と自動導入経緯台がセットになっておりばらせない。夕方、天気が良いから少し惑星、月を見るだけならコンパクトでおすすめ。大型の望遠鏡は載せるための重たい赤道儀も運んで組み立てる必要があるが、この望遠鏡セットはすぐに使える。焦点距離が1470mmもあるため低倍率が苦手。付属の26㎜アイピースで56倍と満月が視野いっぱいになる。

【赤道儀】
G ビクセンSXD2 スターブックという自動導入コントローラーがついている。日本製なので使い方が分かりやすいかも。15㎏まで搭載可能でかなりの実力。

H Skywatcher AZ-GTi 5㎏まで搭載可能 無線LANでスマホとつないでアプリで操作ができる。 精度や剛性不足をソフトの力で押し切る。電子観望のためにできた経緯台と言っても過言ではない。小さくて軽くて運び出しやすい。でも水平出しとアライメントは慣れが必要。

I ビクセンGPD+EQ5GOTO改造 GP赤道儀のDelux版。Skywatcher社製の自動導入赤道儀のステッピングモーターとハンドコントローラー仕様に換装している。ビクセン純正と違って12V電源がセンタープラスになっているので電源ケーブルに注意(むしろビクセンのセンターマイナスの電源ケーブルが世界基準と反対)


J,K ビクセンGP赤道儀 GPDの弟分。後期型のため色が白と青基調に変更されている。2軸モーター仕様と1軸モーター仕様の2台を保有。自動導入はできないが、月や惑星など手動で簡単に導入できる対象なら、軽いためSXD2より設営しやすく使う頻度は高くなるかもしれない。また広角のカメラレンズでほったらかし追尾撮影する赤道儀として活躍する。前述のとおりビクセンのセンターマイナスの電源ケーブルを使用する。

L タカハシEM-10 重くて頑丈だが、自動導入のSXD2があるので霞んでしまう。売ってしまってよいかも。タカハシ製品なのでまぁまぁの値段が付くと思う。保管状況がよくないので部品の欠品が心配。

 【双眼鏡】

O 宮内光学 BJ100双眼鏡 惜しまれつつ事業撤退した宮内光学の口径10㎝90°対空双眼鏡セミアポタイプ。26倍と37倍のアイピースセット仕様。10㎝双眼鏡は暗い空に持っていくとアンドロメダ銀河やM33が写真のように広がって見える。天文同好会の機材で一番のお宝だと個人的に思う。






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